春分初候「雀始巣(すずめはじめてすくう)

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3月20日。というのは年中行事においては随分と忙しい日だなあって思います。タイトルの春分の始まりでもあり、当然ながら初候も始まり、そして春彼岸の中日であり、雑節においては社日でもある。色々あり過ぎて全部を網羅するのは大変すぎます。ということでわたしは今日、彼岸参りとして墓にお参りに行ってきました。春の彼岸は仏花としてもよくつかわれるボタンに見立てた牡丹餅をお供えとして用意することが慣習らしいので、せっかくだから作ってみました。しかしこしあんを作るのは相当に難しく、結局はただのべたべたする鼈甲飴みたいなものになってしまいました。お菓子で失敗した、それも食べられないレベルの失敗は本当に久しぶりでしたね。まあこれがここ最近結構軌道に乗っていて慢心しかけていた自分の鼻っ柱を叩き直すきっかけにもなりましたから、それもまた悪くないのかなって。

春分初候「雀始巣(すずめはじめてすくう)」

由来

春分は二十四節気第四の節。昼夜の長さがほぼ同じになるのがこの春分だそうで。そしてここから夏至まではどんどん日が長くなっていきます。

越冬した雀が、繁殖のため巣作りを始める頃。「雀の子」は春の季語の一つとして知られています。

大友育美「七十二候の食薬レシピ」P28

雀が巣を作り始める時季だから、ってことですね。確かに雀やツバメが室外機の上とか屋根裏とかに巣を作り始めるのを見ると、春って感じがします。正直ほとんどは自然を破壊して作られる人工物が、結果として雀やツバメといった小鳥の生活の拠点を作る土台となっている、と言うのも、破壊の果ての再生を感じさせ、生命の神秘を感じます。どれだけ人間が今の地球の支配者を気取って自然を踏み荒らした先に自分たちの利便性重視のものをおったてようとも、大自然からしたらその営みすらちっぽけなもので、そこでもたくましく生きていく。そういった戒めと地球の在り方を見つめ直すというのも、季節が一周した今に考えるのがありなのかなって思ったりします。

健康への影響

寒暖差に体が対応しようとして交感神経が優位になりがちなこのころは、体力を消耗して疲れやすくなります。また、新生活に向けて環境が変化する人も多く、ストレスで自律神経が乱れ体調不良になることも。これらは「春バテ」と呼ばれ、長引くと五月病など心の不調につながるとも考えられます。

大友育美「七十二候の食薬レシピ」P10

この時季、気温の上昇に伴い、体内で老廃物が増えてどんどん運ばれてくるので、肝臓はただでさえ忙しい状態になります。「肝」には感情をコントロールする役割もあるため、肝臓のオーバーワークが、心の不調の元になるのです。

大友育美「七十二候の食薬レシピ」P28

冬は気温の低下で血液などの循環が悪くなって気が沈むことが多いイメージでしたが、気温が上がったら上がったで老廃物が増えるとは。いやあ四季と言うのは人間の身体においては実に難儀なものですね。とはいえ、その老廃物も腸内環境の整備によって減らすこともできるとはおもうので、やはり食生活の改善は重要ですね。

食薬

小松菜

身体の中の余分な熱を摂り、気持ちを鎮める作用があることから、イライラ、怠さ、のぼせなどを改善すると言われています。カルシウムが豊富なので、その吸収率を高めるには、ビタミンDを含む食材と一緒に食べて。

大友育美「七十二候の食薬レシピ」P28
小松菜一束のパック

いつものわたしの平日夕方の五大食材小松菜!ビタミンD豊富な舞茸、きくらげと併せて食べてるのでだから私は最近逆流性食道炎にもならないし腸の調子も凄くいいのですなあ。

ということで今回は特に普段と変わったことはしないって感じですが、普段私が日曜夕方に作り置きして平日の夕食としている五目炒め煮のレシピでも載せます。

〇原材料
・小松菜 1束
・にんじん 3分の2本
・まいたけ 1パック
・きくらげ(乾) 5グラム
・厚揚げ 1パック
✯味付け(和風甘辛煮)
・しょうゆ 大匙2
・みりん 大匙1
・酒 大匙2分の1
・甜菜糖又はキビ糖 小さじ2
・昆布だし 300ml

〇手順

  1. きくらげは水につけて戻しておき、戻ったら水を切っておく。
  2. 人参は短冊切り、小松菜は根元を落として3センチほどの感覚で切る。厚揚げは食べやすい大きさに切り、ケトルで沸かしたお湯をくぐらせておく。舞茸は食べやすい大きさに切る。調味料は混ぜておく。
  3. 鍋にこめ油を大匙1引いて中火に熱し、熱くなったら舞茸、戻したきくらげ、にんじんを入れて炒める
  4. 舞茸、きくらげがしなってきて香りが立ってきたら、小松菜の葉以外の食材をすべて入れ、全体に油が絡むようにさっと炒める。
  5. 調味料を入れる。煮立ったら火を弱火にして蓋をする。人参が柔らかくなるまで煮込む。
  6. 人参が柔らかくなったら小松菜の葉を入れてさっと熱して火を止める。

小松菜、人参、きくらげ、舞茸、厚揚げの和風炒め煮をステンレスのお椀によそったもの

こんな感じです。特に難しいことはしてません。調味料はその時の気分でトマト煮テイストにしたり酸辣湯風にしたりと味変も色々利きますから案外飽きませんね。

あとは牡丹餅を作った時に余ったもち米を使い、牡丹餅ならぬ菜餅を作ってみました。

炊いたモチ米に刻んだ小松菜を混ぜ、白ごまを和えたもの

小松菜の優しい味と白ゴマがもち米の甘さに合って想像以上に美味しかったです。ご飯の代わりにこっちを暫くは食べてもいいかもですね。

余談:彼岸参りの帰りに

前述したとおり、3月20日は彼岸参りと言うことで墓参りを行い、その帰り際に久々に外食をしました。というのも、その場所にオールヴィーガンの料理店があるという情報を得たので、これ幸いとばかりに行こう、と思った次第です。

店の名前は「幸の木」というお店で、京王八王子駅から徒歩3分の場所にありました。

通りの一角にあり、木製家具のナチュラルムードで、森の中にいるようで落ち着く店舗でした。

時間は13時を回っていましたが、10席のテーブル席はほぼ満席で、わたしはカウンター席へ。

席に着いたらお店のオーナーから、メニューについて丁寧な説明がありました。なおランチ時のメニューはコース料理か御膳料理のみで、コースが御膳料理+ドリンク(有機コーヒーなど)+デザートで3,850円。午前は2,750円でした。わたしはコース料理を選択し、デザートはフロマージュを選択。

至福の幸の木堪能コース。左上からレンコン、豆腐、レタス、トマトなどのサラダ(バナナドレッシングかけ)、しめじの糠漬け、ごましお、レンコンとパプリカの酢の物、舞茸と小松菜の甘煮、穀物御飯、白黒エノキ、ヴィーガンチーズ、長ネギの春巻き、黒舞茸のかき揚げ、大根の揚げ物、ヴィーガンマヨネーズ、パプリカと赤カブの浅漬け、味噌汁のお椀が並んでいる。橋の近くには梅塩がある。

そしてお出しされたのがこれ。こ、これはとんでもない御馳走だ…全部植物性原料のボリューム・・・そしてバリエーションが豊富過ぎる。

ということで血糖値スパイクを意識して最初はサラダ(左上)をいただきました。かかっているのはバナナドレッシングで、甘さと酸味のバランスが凄くよく、まさに前菜としてぴったりな味わいでした。

続いてパプリカの酢の物や浅漬けをいただきましたが、パプリカは今まで生食と炒め物ばっかりでしたが、酢漬けにしても行けるんですなあ。野菜の可能性を感じさせていただきました。

んで舞茸のかき揚げですが、これは最初口にしたときこれはカキフライ?と思いました、いやマジで。黒舞茸って舞茸の中ではかなり貴重なものらしいので高級銘柄らしいのですが、こんなにおいしいのか舞茸。いや舞茸好きですけどここまでコクのあるものがあるとは。舞茸の可能性を感じました。甘煮も優しい味付けで改めて舞茸は最強か?と思いましたよええ。小松菜と併せてるのもこの春分初候「雀始巣」に食べるのにぴったりでした。

春巻きも凄くボリューミーで、チーズはナッツを発酵させたものらしいのですがいやこれ動物性のチーズ以上にコクがあるのにあっさりしている味わいで、ネギもしっかり煮込まれていてとろとろでした。

とろとろと言えばみそ汁はすごかった。ネギやエノキ、御揚げが入っていたのですが、それら全部がとろとろで、汁もテクスチャーがまるであんかけ?ってくらいにこってりしていたんですよね。聞いた話だと、水はそんなに淹れずに、野菜を多めに入れてその水分で味噌汁を作ってるらしいです。高温でそういう抽出ができる鍋もあるみたいでl。いやその方法試してみたい!って思っちゃいました。そして味噌はなんと自家製!お店の人に紹介してもらったのですが、店の入り口付近にある樽は全部味噌をつけている物らしく、もうただただ感嘆するしかなかったです。

それだけでなく、しょうゆやみりん、マヨネーズといった調味料もすべて自家製だと話されました。みりんも米と米麹から作ってるので舐めてもおいしいくらいの甘みがあるとか。ドレッシングやみそだけでも凄いのに使う食材も調味料も全部自家製とは恐れ入りました・・・そしてこだわったヴィーガンが作る料理店はここまで行けるんだなあって泣きそうになりました。

そしてデザートのフロマージュ。チーズの下に玄米チップスが敷かれており、ナッツはピスタチオ、アーモンド、マカデミアナッツ、カシューナッツ。そしてメープルシロップも敷かれており、混ぜてヨシ、別々に食べてヨシで二度楽しめます。

コーヒーも認証コーヒーの中でも厳しい審査を経ることで得られる有機JAS認証の有機コーヒー。中深煎りでしたかな?

フロマージュはとてもクリーミーで、発酵食品の酸味とシロップやナッツの甘みのバランスがよく、コーヒーとも相性最高でした。そりゃナッツから作ってるチーズですから、ナッツとの相性が非常にいいコーヒーと合わないわけなかった。あとカップがとてもかわいかったです。木の幹みたいなテイストで。なんでもオーナーさんが行く先々で気に入ったものを買っており、それを店でも使っているんだとぁ。それ聞いて「あれ?そういえば家長むぎさんも同じことしたいって言ってたな…」とか思いました。そしてそのお店のオーナーがヴィーガンで、そのお母さんがお手伝いしている形で切り盛りしており、お母さんはオーナーに影響される形でヴィーガンになったそうですが、その結果老人と呼ばれる年齢になってなお精力的に日々を生きられており、海外から来られるヴィーガンのお客さんにも絶賛してもらえる毎日がとても嬉しいとのこと。いや本当に素敵な老後を送られてるな・・・このお店、オーナー親子含めてロールモデルにしたいって気分でした。と言うか多分秋彼岸の墓参りも帰りはここに寄ります。

ということで、値段以上の体験をさせてもらいました。ヴィーガンの方、素敵な老人を目指している方、将来お店を開きたいと思っている方は一度足を運んでみるといいと思います、至高の野菜料理幸の木。今度は幸の木という看板スイーツや別のデザートも食べて見たいものです。

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