4月20~24日は穀雨の初候「葭始生」
19日で清明は終わり、二十四節気第6の節気「穀雨」となりました。清明の時期も天候が不安定で雨の降る日が多かったのですが、穀雨というのも名前からして雨がまだまだ続きそうな節気ですね。具体的にどんな意味が込められているのでしょうか。
穀雨とは、百穀の実りをもたらす春の雨のことです。百穀とは、あらゆる穀物のことを意味する言葉。この時期には、けぶるような春雨がしとしとと降り注ぎ、田畑を潤し、萌出でた若い芽を育んで、緑を深め、実りの準備を進めます。
神宮館「暮らしを楽しむ開運七十二候」P48
やはり雨みたいですね。清明が生き生きとしたさまであったのに続いて、今度はその生命を萌芽させる地球の循環の大切な一環である雨。それにちなんだものだそうです。穀物と言えば稲、むぎが真っ先に思い浮かびますが、他にも芋類とか最近わたしがハマってる十六穀の雑穀たちもそうですね。あと店に並んだら食べてみたいビーツも穀物だったと思います。そのビーツを実らせてくれるなら何日でも雨夜降ってほしいですね。ビーツでスイーツ作りたいので。
そしてその穀雨のトップバッターを飾る七十二候第16候は「葭始生」、読みは「あしはじめてしょうず」です。だんだんと七十二候の読みも漢字を見てわかるようになってきました。傾向がつかめると予想も立てやすいから面白くなりますね。こういうのも知の感動と言えるのではないでしょうか。
水辺で葦が芽吹き始める時候です。日本はかつて、葦が豊かに生える国という意味で「豊芦原の瑞穂の国」と呼ばれていました。
葦は強く丈夫な植物で、古くから屋根葺きや紙、すだれ、楽器など様々な道具の材料にされてきました。
葦が人々の生活に深くかかわっていたころ、葦の芽吹きを知った喜びは今よりももっと深かったことでしょう。
神宮館「暮らしを楽しむ開運七十二候」P50
引用にある「豊蘆原の瑞穂の国」という呼称が使われていたのは、古事記や日本書紀の中の神武期以前のようですね。ナウマンゾウが跋扈していたり天皇制が敷かれる前の時代、といったところでしょうか。中国で言うならば三国時代より前のはずだから春秋戦国時代や前漢時代辺りでしょうかな。葦が紙の材料だった、というのは懐かしい話ですね。稲作が普及するより前の人たちにとっては本当に生活に寄り添う植物が葦だったのでしょう。葦と言えば、川や沼に若芽が映えると牙みたいに水面から顔を出すので、それが「葦牙」と呼ばれているらしいです。その葦牙を鴨やアヒルが食べている動画を見ましたが、そう考えると今でも葦は自然界において循環の一端を担っているのですね。
ちなみに、最近勉強しているeco検定に置いて学んだことの一つに、「人間の活動が地球環境に影響を与えるようになったのは産業革命以降」とありました。つまりはそれ以前は、戦乱で大地を焼き尽くしたりすることはあっても、地球環境に不可逆な影響を与えたり、自然界の生態系を乱したりすることなく自然と共存できていた、ということになります。七十二候や二十四節気を見出した人たちも、そんな自然との共生を果たしていた人たち、ということになるのでしょう。
この「葭始生」は、人間が自分たちと共生する身近な自然の萌芽に格別の喜びと祝福を込めていたことの証明なのではないか、と思います。この言葉が候となっているところにわたしはそう感じずにはいられなかった。それを思うと、わたしはいつも肝に銘じたいこととして「わたしが今あるものは、何一つとしてわたし一人でなし得たものではない。全部この地球に存在するさまざまなものが絡み合って、繋がって、その結果還元されたものなんだ」というものがあります。かつての人は、そのさまざまなもののの一つとして、葭の存在を常に意識していたのではないかな、と思ったりしました。だからこそ、わたしもそんな存在を意識したいし、そう思えるものがあるならそれを忘れないようにしたい、と思っています。
候の食材
コゴミ
クサソテツの若葉の事。ゼンマイと同じように渦巻き状の頭をしていますが、綿毛がなく、濃い緑色をしています。アクが弱いので、簡単な下処理で食べられる山菜として人気です。ぬめりのある食感が特徴的。
神宮館「暮らしを楽しむ開運七十二候」P51

はい、ということで山菜の一種、コゴミです!
実は食べるのはこれが人生初です。七十二候を知らなければ、ヴィーガンになっていなければ、もしかしたら一生食べる機会がなかったかもしれません。
山菜のイメージがゼンマイとかワラビなのでやっぱりこのいかにも森の中で育っていそうなフォルムが目を惹きますね。渦巻き状の植物というのはファンタジーでもよく目にするし、そんなファンタジーのような食材が目の前にあるってのも、そう考えるとどんな味がするのかワクワクしてきます。
下処理については、白ごはん.comさんを参考にして、塩ゆで2分にしました。

やっぱ最初は味噌汁でしょ!ってことで味噌汁にしました。他の具材はコゴミを味わいたいからあまり主張しないしめじと豆腐でシンプルに。森の香りがほのかに漂ってきて吸い口なしでもいい香りで食欲をそそります。香りのいい野菜に出会うとテンション上がりますね。
そして食べてみました。引用のとおり、食感は本当にぬめりがあってなめこのようでした。舌触りがよくそこに香りまんまの森の味わいが口に広がり、そこに味噌が優しく包む感じで、味噌汁推奨されていた理由が分かった気がします。味噌とのハーモニーが抜群でした。ハーモニーの良さを味わったので、次食すときはコントラストを楽しみたいですね。ぬめって森風味、というとサラサラで磯の味、でしょうか。うーむわかめとかもずくとか?考えてみます。
