ヴィーガンスイーツ製作記録「ズコットケーキ」

この記事は約7分で読めます。

先日、ヴィーガンスイーツ講座を受けたことで、食材一つ一つの役割や、置き換えの知見を得ました。

ということで、今回は今までのようにヴィーガンスイーツのレシピをそのままなぞるのではなく、スイーツレシピを植物性食材に置き換え、それに伴い製法も応用してヴィーガンスイーツレシピにしてみる、といった試みを始めてみました。

今回作ってみたいな、と思っていたのは、ズコットケーキという日本ではドームケーキ、といった呼び名で親しまれている、いわゆる半球形のケーキです。ズコット、というのはイタリア・フィレンツェの伝統菓子でルネサンス期に誕生したセミフレッド(半冷凍)を用いたケーキです。

今回ベースとさせていただいたレシピは、富澤商店様のこちらを参考にさせていただきました。

材料(18cmボウル1個分)

ジェノワーズ

  • 米粉:60g(A)
  • アーモンドプードル:40g(A)
  • 片栗粉:10g(A)
  • ベーキングパウダー:10g(A)
  • 山芋:150g(B)
  • 含蜜糖(未精製の甜菜糖又はキビ糖):85g(B)
  • ココナッツオイル(香りのないもの):40g(B)

フィリング

  • お好みのナッツ(今回はアーモンド、クルミ、カシューナッツ、ピーカンナッツを使用):120g
  • ココアパウダー:30g(C)
  • カカオマス:20g(C)
  • 甘酒:20g(C)
  • 豆乳:150ml(D)
  • 油(今回は米油を使用):195g(D)
  • レモン汁:小さじ1.5(D)
  • 含蜜糖:45g(D)
  • 塩:適量(D)

シロップ

  • 水:80ml
  • 含蜜糖:40g
  • ラム酒:5ml

仕上げ用

  • カカオパウダー:適量
  • ココナッツファイン:適量

上記の食材のうち、動物性食材の代替としているものと役割について簡単に説明します。

  • 片栗粉・ベーキングパウダー・山芋:卵の食感、風味、そして膨張剤の役割を果たします。
  • ココナッツオイル:バターの代わりの油脂として利用します。バターのように常温に戻す必要もなく、乳化も簡単です。ただし冬など気温が低い場合は湯煎する必要はあります。
  • (C)の食材:これは植物性のチョコレートです。カカオマスはココナッツオイルでもよく、甘酒はアガベシロップなどの甘味料でもいいのですが、今回は家にあったものとよりチョコっぽさを出すためにこれらを使いました。
  • (D)の食材:これらはヴィーガンホイップクリームの材料です。生クリームとグラニュー糖でホイップクリームを作っていたのでその代わりとして用いています。レモン汁がこれらをもったりさせる役割を担っています。

以上、これらの置き換えを行って、レシピも多少改変して作成しました。

用いた型は、ジェノワーズづくりに18㎝の角型、ボウルは家にあったのが21cmのステンレスボウルでしたのでそちらを用いました。

改変レシピ

下準備

  1. オーブンを180度に予熱する。
  2. クッキングシートを角型に敷き詰める。

ジェノワーズづくり

  1. (A)と(B)を、それぞれボウルに入れて泡だて器でよく混ぜる。Bは乳化するまで混ぜる。
  2. (A)と(B)を合わせ(わたしは(B)を混ぜたボウルに(A)の粉を入れる形で合わせました)、粉っぽさがなくなるまで混ぜる(わたしはゴムベラで擦り付けるように混ぜました)。
  3. クッキングシートを敷いた角型に生地を流し込む。
  4. 180度のオーブンで25分~30分焼く。
  5. 焼けたらケーキクーラーに乗せ、粗熱を取る(米粉で作った生地は、熱が取れてからでないともちもちしていてうまく切れないのでここはしっかり冷ます)。
  6. 1センチメートルの厚さに切る。(わたしはあまり膨らんでいなかったので、生地を縦に4等分しました。)
  7. 対角線上に切り、台形にする。

フィリングづくり

  1. (D)の材料をハンディブレンダーで混ぜ、冷蔵庫で冷やす(これはジェノワーズをオーブンで焼いている間にやりました)
  2. (C)の材料をすべてゴムベラで混ぜ、冷蔵庫で冷やす(カカオマスを使ったので湯煎して溶かしたものにココアパウダーと甘酒を入れて混ぜました)。
  3. 1,2,各種ナッツをゴムベラで混ぜる。

シロップづくり

  1. 水と含蜜糖を小鍋に入れてかき混ぜながら弱火にかける。煮立ったら火を止め、ラム酒を混ぜる。

仕上げ

  1. ボウルに切ったジェノワーズを敷き詰める。
  2. シロップを刷毛で敷き詰めたジェノワーズに塗る。
  3. フィリングを半分ほど入れ、ジェノワーズで蓋をする。
  4. 蓋をしたジェノワーズにシロップを刷毛で塗る。
  5. 残りのフィリングを入れ、ジェノワーズで蓋をする。
  6. 蓋をしたジェノワーズにシロップを刷毛で塗る。
  7. ラップをして冷凍庫で冷やす。(わたしは冷蔵庫で冷やしてしまいましたが、それをやるとフィリングが上手く冷え固まらず、切る時に形が崩れます)
  8. 冷え固まったらボウルから取り出し、三角に切ったクッキングシートを乗せる。
  9. ココナッツファインをかける。
  10. クッキングシートを、ココナッツファインをかけた場所に乗せ、カカオパウダーをかける。

基本的に富澤商店様のレシピをベースに、主にジェノワーズづくりを植物性仕様に変えています。植物性油脂の場合は、粉類と油をそれぞれ別々のボウルで混ぜて油側を乳化させ、それらを合わせて粉っぽさがなくなるまで混ぜる、というのが生地作成におけるスタンダードな工程になります。これはもはやわたしのバイブルとなっている『世界文化社「穂高養生園が考えるやさしいおやつ」鈴木愛:著』を参考にしております。なので、湯煎したりメレンゲを作ったりする、といった工程は基本的に必要ないので、その点はかなり楽に作れると思います。どうしてもメレンゲも再現したい場合は、ひよこ豆の煮汁、通称アクアファバを用いるのがいいらしいですが、それはいずれやろうと思います。なんせアイシングをやるにはメレンゲ再現も避けて通れない道ですから。

作成結果とフィードバック

植物性食材で作ったズコットケーキを皿に乗せている。

そしてできたのがこちら。クッキングシート乗せるのがちょっとミスりました。しかし、ひとまず形にはなったので良かった。

そして断面図。こうなったのにはしっかり理由があって、冷やすのを冷蔵庫でやってしまったのが原因です。クリームが上手く冷え固まるようにするには、やはり冷凍庫である程度保存しておく必要があったのです。そして食べるちょっと前に冷蔵庫に移すことで、カッチカチの状態から脱却させる、というのがよさげだったのだと思います。切る時に崩れるのも防げますからね、冷凍保存なら。流石に元がセミフレッドのお菓子なだけに、ここは素直に冷凍保存しておくべきでした。

しかしこれで一つの学びを得ました。店のケーキが何であんな綺麗に切り分けられているのかというのは、セミフレッド方式をうまく使っているからでしょう、ということ。クリームぎっしりでもしっかり切れるのは、そういう技術の賜物なのかなと思いました。次のケーキ作りにはしっかり活かしていきたいです。

んで、肝心の味ですが…

ゥンまああ~いっ!

いやほんとジェノワーズは今まで作ったケーキの中でもダントツのおいしさでした。米粉特有のもっちり感はそこまでなく、今までの中でも一番しっとり感とふわふわ感が出ていたと思います。今までと変えたところといえば、やはり山芋を用いたところでしょうか。山芋は卵の代わりとして用いたのですが、主に膨張剤としての役割を期待していましたが、そのふわふわ感だけでなくしっとり感も出してくれて、さすが山のウナギと言われるだけのことはあるなって感じで感動してしまいました。

フィリングもナッツをふんだんに使っただけあって非常にオイリーで贅沢感漂う味わいでした。

そして今回、フィリングのホイップクリームを作る際に塩を入れたのですが、この塩の加減を、甘さとしょっぱさの間、つまりしょっぱくなる直前の段階まで入れるのがポイントでした。実際そのラインを見極めて淹れてみましたが、確かに甘味が引き締まるような感じで、メリハリの利いた上品な甘みになった気がします。スイーツの分け目が塩、というのも納得です。このラインを安定して見極められるようになれば、より上達へ近づくのではないかと思いました。

あとはやはり盛り付けを綺麗にするのはもう永遠の課題ですね。今回はスライスの際にセミフレッドをうまく使えばもっときれいにできたのかなとも思いました。ここは次リベンジしたいですね。

しかし今回のジェノワーズのおいしさは感動したので、このズコットケーキは腕を磨いて将来の店のメニューには加えたいところですね、主にフルーツタルトがメインになるかもですが、クリーム系はこっちで攻めていきたいなって。

タイトルとURLをコピーしました